毒舌最強少女の日常



私は案外近くにある顔にペチッ、とパンチを一発いれた。

これぞ本当の猫パンチ。


「ミーミー」(バーカバーカ。屑、塵芥め。俳句の勉強し直してこい)

「……あ?」

「ミーミー」(鬼、悪魔、変態、痴漢、歩く猥褻物)

「何かすげぇ馬鹿にされてる気がする」

「…ミー」(何で分かるんだよ)


呆れた。
コイツの野生の勘は良すぎる。

ふっ、と
何だか笑えてくる。

するとトシが私をガン見。



「………」

「………」

「……、お前、まさか瑠偉………なわけねぇよな」

「!」


その瞬間
光が私を包む。

いや、何この御伽噺的な展開。笑えない。

そして光が収まったとき


「……戻、った?」

「……瑠偉」


手をグー、パー、と閉じては開いてを繰り返した。

うん、戻った。

ホッとした……が


「……お前、服は」

「―――っ!見、見んなクソ呆け阿呆死ねっ」


前に予想した通り
私は衣服を身にまとっていなかった。


部屋の隅に逃げようとしたが
腕を掴まれ逃走失敗。


目の前には怪しく笑うトシ。



【飛んで、跳ねて、逃げましょう】


(来るな変態!)

(据え膳食わぬは何とやら、ってな。俺は男の恥にはなりたくねぇ。つーわけだ。諦めろ)

(っ、最低だな!)

(じゃあ、いただくとするか)

(ちょ、マジ死ねっ)



【END】
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