毒舌最強少女の日常



事情は分かったから山崎は追い出した。

沖田さんが抱えている斎藤さんを見ると、着物がブカブカすぎて哀れだ。


「沖田さん、前に私が(不本意に)子供になったとき、貴方の子供時代の服を借りたらしいですが…、斎藤さんには貸さないんですか」

「えぇー」

「なんで嫌そうなんですか」

「だっていつ元に戻るか分からないんですよ?戻るとき、着物破けますよ?瑠偉さん、斎藤さんの裸見ちゃいますよ?良いんですか?」

「斎藤さんには悪いがこのままでいてもらいましょうか」


すまないな、斎藤さん。
くしゃくしゃと、斎藤さんの髪をかき混ぜるように頭を撫でる。


すると、


「う、……か、さん」


「は?」

「かぁさ、ん」


そう言って、斎藤さんは私に抱きついてきた。

……母さん?

今まで大人しかったから気づかなかったが、どうやら精神まで幼児化しているらしいな。



< 193 / 202 >

この作品をシェア

pagetop