毒舌最強少女の日常



引っ付いてきたものはしょうがないから抱っこする。

…子供って案外重いな。


「る、瑠偉さんが母親とか…ぷぷぷ」

「沖田さん、そのうるさい口を閉じて下さい永遠に」

「かーさ、ん。うー」


何だこのカオスは。

ため息をついたその時


「おい瑠偉、何して……ん、だ…………あ?」


トシが室内に入ってきて、現状を目にして固まった。

次の瞬間、まさに『鬼』と形容するにふさわしい表情へ一変し、私に詰め寄る。


「おい瑠偉なんだその子供は。浮気か?俺より良い男なんざいねぇだろうが」

「浮気じゃないし、トシより良い男なんかごまんと居るわ、この勘違い野郎が」


このナルシストはどうやら斎藤チルドレンを私の子供と勘違いしたらしい。

真正のバカがいるな。


「なんだ、じゃあ浮気なのか?」

「だーかーらー、浮気なんかしてないって言ってる。お前の耳は飾りか」

「かー、さん」

「ほれみろ!!コイツ『母さん』つったぞ!!」

「もうアンタら二人、面倒臭いわ!!」


私とトシが言い合っていても
沖田さんは素知らぬ顔で笑っている。

死ねばいいのに。



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