First crush
重い荷物を抱えて歩き出した。
・・・それにしても重い。
部員が多いからいっぱい作らなきゃと思っていっぱい買ったけど重すぎ。
あたしは待ってる皆のため急いだ。
―・・・・あれれ?
何分も歩いてるのに着かない。
・・・もしかしての・・・。
いやー!それはないな!きっと。うん・・・。
「あたし迷子じゃーーーーん!」
あたしは誰もいない道で叫んだ。
どうしよう!
この年で迷子って恥ずかしい。
いや、今はそんなことより冷静に考えなきゃ!
あたしは一端荷物を道端に置いて落ち着いた。
・・・・んー・・・落ち着いてもなんもわかんない。
でも、これだけは言える。
こんな道通ってない!!
あたしはどうしようか考えていると顔に何かが当たった。
ふと、空を見ると―・・・。
雨じゃん!
どうしよう!!
あたしはもっとパニクってる。
一応雨は当たりたくないから走った。
どこかに雨宿りするところないかな・・・。
走っても走っても合宿所に着かない。
「どうしよう・・・」
どうしようもなく涙が溢れてきた。
こんな所で一人って寂しいよ。
それに怖いよ。
あたしは気力が抜けて座り込んだ。
「やだよぉー・・・」
泣いても泣いても誰も来ない。
「先輩ー・・・」
こんなとき浮かぶのは先輩の顔。
あたしこのまま帰れなかったらどうしよう。
―・・・あたしが泣いてる時小さく誰かの声がした。
本当に小さいけど聞こえる。
あたしの名前を呼ぶ声が。
「さえー!?」
先輩の声が―・・・!
「先輩!」
こっちに走ってくる先輩が見えてあたしは先輩の所まで走った。
「大丈夫か!?」
あたしは思わず先輩に抱き着いた。
「こ、怖かったです・・・」
先輩の胸の中は温かかった。
「すぐ見つけてやれなくてごめんな」
先輩はあたしの頭を優しく撫でる。
「来てくれただけでも嬉しいですっ。・・・なんで・・・なんでここにいるってわかったんですか?」
「ん―・・・大事なマネージャーの居るところならわかるよ」
あたしはその言葉がすごく嬉しかった。
先輩は荷物を抱えて「行こっか」って言ってあたしの手を握って歩き出した。
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