[企画]$oldier File
あたふたしながら瓦礫の中を車に向けて走る姿は緊張感の欠片もなく、ふざけているようにもとれる。

典型的な運動音痴なのだが本人はそれを断じて認めようとしない。

「遅かったな。」


「ちょっとな…ま、いつものことさ。」



助手席にドサッと乗り込み煙草を吹かす。
「いつものこと…か。」
吐き出された煙が目と鼻を刺激する。

「市民を助けるために、人を救うために戦っているのに…」


「だが俺達が止めなければあの子ども達も皆殺しになる。」


会話はそこで止まってしまう。これも、いつものことだ…
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