姫様のわがまま*高貴な姫のペット*



籠の中で可愛く、可愛く育てられたフランは何も知らない。
そんなわがままお姫様の、ある世界のお話。



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「ううん...ヴィッキー、やっぱりあなたの紅茶は美味しいわね。」


(ヴィッキー-Vicky-=ヴィクトリアのニックネーム)


「お気に召されて光栄です。」


ヴィクトリアはふわりと笑った。
フランはそんなヴィクトリアにいつも不満を持つ。


「だから、私には友達が欲しいの。
私の周りには、ヴィッキーとシュリしか居てくれないでしょ?
だからせめて、友達のようにしてよ。」


ぷうっと膨れるフランに、苦笑する2人。
さすがに、お姫様のそのわがままには応えられない。


「私たちもそうしたいのですが、それだけは、どうしようもないのです。」


シュリがフランの手を取る。




  
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