NAO
「これ傘なしで帰るの!?」

「きついって!禿げるよ...!」

「もう本当に嫌だ...」




あたし達は腕で頭のてっぺんを隠して、走り出した。


案外、冷たい。


髪と服がすぐにびしょびしょになって、重くなった。




「ひゃあー!」




奇声をあげて校庭を走りぬける。


泥が靴に飛び散った。




「傘買う?」

「そうしよ!」




コンビニを覗いてみたら、傘は1本しか売ってなかった。
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