NAO
あたしは走り出そうともう一度体を反対側に向けた。


足を踏み出そうとした時―
腕を掴まれた。




「離して...」

「どこ行くんだよ?」




逃げるんだ。


直から。


今日は会いたくなかったのに。


何でそういう時に限って...




「なんで俺から逃げようとしてんの?」




あたしは答えようか答えないか迷った。
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