NAO
さっきまであたしの代わりに泣いていてくれた雨はやんでいた。




「...あたしも、好き。」




直があたしをそっと抱き返して、


あたし達の唇は―


少しだけ触れた。


ありがとう。


なんだか世界中の人にそう言いたい気分だった。
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