NAO
「...癌なんだって。」

「癌―?」

「病院の場所、聞いたから。
行ってあげなよ?
きっと大切な人なんでしょ?」




何で知ってるんだろう?


でも今は奈緒の気づかいに感謝だ。


ありがとう、と告げて席に戻った。


さっきまで話していた立たちとではなく、自分の席に。



放課後になるのが怖かった。


だけど学校が終わったら病院に直行すると俺は決めていた。


外はカラカラに晴れている。


少しだけ勇気をもらったような気もする。
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