NAO
そして、図星だな、と言う。




「お前は分かりやすいなぁ。
...俺が教師を辞めるって言った時も、結局最後まで口を利いてくれなかったな。」




遠い昔を思い出す様に加地は言葉を紡いでいく。


少しずつ、俺たちの間の時間が戻ってくる。




「お前は問題児だったよなぁ。」

「...そうだったっけ?」

「そうだよ。
平内はほとんど授業に出ないくせに、暴力事件ばっかり起こす、って前の担任から言われたんだよ。」

「はぁ?まじ?」




暴力事件なんて、起こしたっけ?


俺は少し首を捻った。
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