NAO
“事件”と言うほどでもないけど、誰かを殴ったら鼻が折れちゃったとか、
俺が殴り飛ばされてドアが外れたとか...


そういう事はあった。




「敵も多かったが、友達も多かったよな、お前は。」

「何それ。結局は友達も敵も多くないだろ。」

「いや、そうやって暴力ばっかする奴は、恐れられて浮くもんだよ。」




加地はうんうん、と1人頷いた。


懐かしいな。


ほとんど忘れかけていた過去が蘇る。


別に思いだして良いものではないけれど、
忘れではいけないものだと思う。


教訓として、
痛みとして、
喜びとして、
色々な意味で覚えておく必要がある、そんな気がした。
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