NAO
「...加地、いつから病気だったの?」

「そうだなあ。
分からないなぁ。」

「...何だよ、それ。」

「本当だよ。
でも気付いた時には、もうやばかったんだ。」




俺は壁にもたれかかって、自分の体を支えた。


なんだか、怖くて...
真っ直ぐ立っていられない様な気がした。


そのまま立っていたらどこかに吸い込まれそうで。


もう何も言わないでくれ、と思った。


お願いだから―

+*+

帰ってから、奈緒に電話をかけた。


すぐに繋がって、薄っぺらい携帯の向こうで大好きな人の声が聞こえる。
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