NAO
加地が夢を捨てたって、ひどい勘違いをしてたって。


時間はもっとあると思ってた。


タイミングを見計ろうとしてたんだ。


...俺、何やってたんだよ―

*+*

「大丈夫?」




別れ際、奈緒が心配そうにそう聞いた。


うん、と気のない声が出た。


しまった、と思った。


奈緒が泣きそうな目でこっちを見つめている。


大丈夫だよ、と笑って見せた。




「本当に?」
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