NAO
そう言ってにこっと笑った。

*+*

飛鳥との出来事以来、あたしは少しだけ悩んでいた。


直が、飛鳥の言う“思い出”のためにあたしに近づいてきたのなら?


...あたし達は、高校卒業と共に懐かしいと思う様になってしまうの?


嫌だな。


あたしは今、こんなに好きなのに。


思い出とか、そんな思惑があって付き合ってる訳じゃないのに。


直がそうだったらどうしようもできないじゃん―



「奈緒!危ない!」




...いけない。
ボーっとしてた。


あたしは周りを見た。
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