NAO
...家の前に着いた時、誰かがポストの下に座っていた。


誰?


そう思って近づいた。


その人は眠っていた。


スースー...
と気持ち良さそうな寝息が聞こえる。


あたしはトントン、と肩を叩いた。


その人はびっくりしたようで、
バッと跳ね起きた。




「...どうしたの?」

「なんか、奈緒に謝らなくちゃって思って―」




あたしの家の前で寝ていたのは、直だった。


そこにいた理由を聞いて、涙が出てきた。
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