NAO
「ごめん!」




あたしは直に抱きついて言った。


ごめん。


本当は、あたしあんな事思ってなかったんだよ。




「...俺こそ、ごめん。」

+*+

直の家は広くて、1人暮らししてて寂しくないのかな、って思う。


昔はお母さんと一緒に暮らしていたと言うこの部屋。


今ではお母さんの荷物だけがなくなってしまって、空っぽの部屋が1つある。


この部屋、何で買っちゃったんだろうな、と直が不思議そうに呟いたことがある。


多分その時、直のお母さんは自分が再婚するなんて思ってなかったんだろう。




「いい匂い。」
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