NAO
中学生の頃、
自分はこの先も暗くて寂しい人生を歩んでいくのだろう、と思っていた。


今となったら、笑い話だ。


だって今、俺はこんなに幸せなんだ。


中学生の俺には想像できないくらい。


高校で、奈緒に出逢えてよかった。




「奈緒?」

「...なに?」

「ありがとな。」




奈緒はふふっと笑って、いきなりどうしたの、と言った。




「何でもねーよ。」




奈緒はそんな俺を見てまた笑う。
< 177 / 178 >

この作品をシェア

pagetop