NAO
俺は仕方なく母さんの呼ぶ方へ向かった。


途中、一本の桜の木の下を横切った。


そこには、1人木を見上げる女の子がいた。


みんなと同じ様な輪に入る訳でもなく、
友達を知らない生徒の様に親とひそひそ話す訳でもなく。


彼女は本当に“1人”だった。


短めの少し茶色がかった髪。


顔はよく見えないけど、鼻が高くて頬が少し赤いっていうのは見える。


少し興味が湧く。


誰なんだろうな?


ただ、制服の真新しさから、1年生だという事だけは分かる。




「よお。久しぶり。」
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