NAO
中学生の時同じ学校だった、姫路。


別に仲が良いって訳じゃなかった。


ただ、席が隣になったことはある。


あまり好きなタイプじゃない。


それでも俺はいい顔作って、笑いかける。




「卒業式以来だな。」

「そうか。
まだ1ヶ月も経ってないんだよなあ...」




やけに大人ぶってかっこつけてる所が嫌だ。


適当に話を切って、もう一度桜の木に目を向けてみた。


気になっていた“あの子”はもういない。


少しがっかりしたけどそんなの顔には出さない。


俺と姫路は一緒に校内に入って行った。
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