NAO
「わあ!!」




思わず声を出していた。


いつもの場所よりも、うんと空が近い。


雲ひとつない5月の晴天が頭上に広がっている。


暖かい風が吹き抜けた。


自分の髪が揺れているのが見える。


入学式の時に比べて遥かに長くなった自分の髪。


その髪の隙間に男の姿がある。


ずっと気になっていたことを聞いてみようと思った。




「あの...」

「なおだ。」

「え?」
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