NAO
その人は俺の開けたドアの音でこっちを振り返った。


そして、笑った。




「最近、毎日会うね。」





彼女はこの場所が気に入ったみたいだった。


あの日―
奈緒は桜の木を見つめてた。


入学式の時と同じ場所で。


...そう。


俺の目の前にいるのが、入学式の日以来俺が気になってた人。




「今日は授業出ねーの?」

「うん...どうしようかな。」
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