NAO
それだけだった。


何だ、変な奴―
そう思ってた。


その時は。


俺から加地の元に行く事は1回もなかった。


それなのに、加地は俺から何か必死に聞きだしたいようだった。


何回も何回も同じ様に呼ばれて会って...
を繰り返した。


最初は行くのが億劫だった。


友達とバラバラに帰ってるのに、特に用件も言ってこない。


なんなんだよ...


始めは苛ついていた俺も、段々慣れて行った。


加地に呼ばれた日は、少しずつ帰りが遅くなっていった。


たまに悩みも聞いてもらった。
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