NAO
俺が立の頭を叩くと、周りからくすくすと笑い声がした。


奈緒とその隣にいる女だった。





「...おもしろい。」





そう言って奈緒は笑っている。


短い髪が少しだけ揺れていた。





「...あ、この子も一緒なんだって。」





立が奈緒の隣の女を指して言った。


長い黒髪に奥二重の顔。
そして両方にある八重歯。


見たことはある顔だった。
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