NAO
「ふーん。」




相手が一向に名乗る気配がないので、聞いてみた。




「あんたは?」

「俺は長尾立(ながおたつる)。」

「へぇ。」




立は案外面倒くさい奴じゃなかった。


喋ってる内にそう感じた。


入学式の時は席は近くなかったけど、後ろから立の席を見ていた。


俺がいきなり誰かと知り合いになるなんて珍しいな...
そう思った。


いつも俺は初対面の奴にはぶっきらぼうで、最初は近づきがたかったって言われる。
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