NAO
―いや、そんなんじゃない。


俺は加地なんてもうどうでもいい。


久しぶりの授業は、少しだけ進んでいて、少しわからなくなっていた。


だけどなんとか聞いてる内に、そうか、と分かった。


この授業の分だけ、テストで取れるかもな。


...こんなことできるのは今年で終わりかな。


帰宅部は高2の終わり頃からはもう受験勉強しなきゃいけないっていうしな。




「はい、じゃあ今日の授業は終わり!」




チャイムが鳴ってすぐに、その教師は出て行った。



結局俺たちが帰るまで奈緒は現れなかった。
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