【完】会長様はご機嫌ナナメな皇帝閣下
そして、当たり前だが見事に受験して合格し、入学式当日を迎えた。
影兄に朝から過保護なくらい心配されて、ウザがりながら(ついでに、鳩尾に一発お見舞いして)真新しい桜色のブレザーを羽織って霧藤の門を潜る。
門の先には……不良、不良不良、不良だらけ。
赤髪青髪金髪って……信号か!頭で信号機表現ですかそうですか!
と心の中でツッコミながらキョロキョロしてると、ヤンキーやケバいだけで可愛くないギャル達が私を見る。
この目には慣れている。私の顔をジロジロ見る目。好奇の目、嫉妬の目。良くも悪くも興味を持った対象へ向ける視線。
「あーダルいな。鬱だわー」
私は、隠しきれない嫌悪感を言葉として吐き出し、耳の穴を小指で掻いた。