【完】会長様はご機嫌ナナメな皇帝閣下
春風のことは心配だが、私の方も体に感じる疲労は正直で。晩飯をがっつり食べて、風呂に入るとすぐに眠ってしまった。


ホントは夜にでもこの豪邸を探索してやろうと思ってたのに。


「ひ……こ!おい起きろ!テメェ寝顔きたねぇな!」


そして、そんな乱暴な言葉と共に、頭に降って来た激痛。


「イッテェ!ふざけ倒せこの野郎!」


見るとおたまを持った皆川会長がいた。どうやらその手に持ったおたまで私の頭を殴ったらしい。普通華の女子高生をおたまで殴るか!?コントか!


体をガバッと起こすと目の前には艶やかなアシメの黒髪を靡かせ笑う俺様皇帝閣下。


「だいたいそのおたまどこから手に入れやがった!」


「厨房に決まってんだろーが。使用人も喜んで貸してくれたぞ」


アッキー先輩の使用人め!この俺様がおたまを邪悪なこと以外に何に使うと思って貸したんだ糞!


「テメェと葵のリクエストだ。道場に向かうからさっさと着替えやがれ」


と言いつつ、皆川会長は部屋から出て行かない。私の寝ていたベッドにどっかりと座った。
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