【完】会長様はご機嫌ナナメな皇帝閣下
しかし、遠慮なくフルパワーで高く蹴り上げた私の足は、あおちゃんの頼りない腕にがっちり止められる。


というか、頼りないと思っていたのに、足がジンジン痛む程に固い。こいつ、相当鍛えてる。


「うん。いい蹴りだねぇ」


ほんわかゆるーっと喋る口調と声とは裏腹に、あおちゃんの目はギラギラしている。あおちゃんの言葉を借りるなら、正しく食われちまいそうだ。


「今度は俺の番かな?」


そう囁いた声が聞こえた瞬間、ひゅ、と素早い突きが飛んで来る。


私はそれに当たったらまずいことを本能で悟り、後ろに飛びのき、その突きを回避。


「ちぇ!避けたかー。残念」


「テメェこらねぼすけ!私を殺すつもりかアホ!」


私の答えにへらへらっと笑うあおちゃんにイラッとする。マジでありえない。こいつ、絶対会長よりSだ。もうその匂いがプンプンだわ。
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