【完】会長様はご機嫌ナナメな皇帝閣下
「次は一発入れる!」


私は少し掠ったのを良いことに、元気になって木刀を構える。


しかし、アッキー先輩は下を向いたまま、構えもしない。思ったより入ったのか?ギブアップか?ん?


なんてふざけたことを考えていたが、ゆらり、とアッキー先輩が顔を上げた時、私の背筋がゾクリと栗立った。


「……今までのは、本気じゃなかったってか?嘘だろ」


その化け物みたいな強大なオーラは、今までアッキー先輩からは片鱗も感じなかったものだ。


こんなもん、いつもの優しくて、たまに照れてデレツンモードになるアッキー先輩が隠していたなんて。この化け物に比べたら、デレツンなんか可愛いもんだ。


冷や汗をかいている間に、アッキー先輩が物凄いスピードで私に詰めより、足元に一発薙刀を突き立てる。


私がそれを躱すのを見て、アッキー先輩は胴に強烈な一撃を刺した。
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