【完】会長様はご機嫌ナナメな皇帝閣下
整った眉毛、濃い顔、長い睫毛。じっくり観察すると思い出す、この、どちらかといえばイケメンかもしれない顔と、へらへらとした喋り方。


「春風……お前、園部春風(そのべはるかぜ)!」


「うおーやっぱりひーちゃんだ!スゲー久しぶり!俺が引っ越して以来だから、四年くらいぶり?」


このどぎつい頭の濃い顔男子、園部春風は、小学校六年生までうちの向かいに住んでいた奴、いわゆる幼なじみだ。


「あんたヤンキーになったの?」


「あははー、違う違う。実は、一昨日からまたあの家に住んでるんだ。挨拶行ったんだけどなぁ、聞いてなかった?んで、近所の公立高校はここだけだったから、馴染めるように派手髪にしたんだよ」


フーン成る程。まあ不良校に入学するからには、その社会に馴染むように変わるのは利口な手段か。


春風は昔からそうだった。波風立てまくりの私に対し、全く波風立てずに上手く社会に溶け込むタイプ。そんな春風だったから、お互いバランスのよい幼なじみコンビだったのだ。
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