【完】会長様はご機嫌ナナメな皇帝閣下
「ったく、ありえねーし。だいたい、あの皆川会長の野郎、私を女だと思ってないんだよ」
夕方、うちの一階のジムには、何故か練習試合をしている春風と龍兄。そしてそれを見守るのは私と影兄なわけだが。
「んまー俺のとこの学校じゃ有り得なすぎる展開だけど、陽菜子の学校あれだし、二次元と三次元の狭間みたいな存在だし、しょうがなくね?」
この男、最早人事過ぎて楽しんでやがるな。腹が立つから影兄の頭を叩いて、私はリングへと再び目線を戻す。
「はーるー!右手右足で攻撃しないハンデのある龍兄に負けんなよー」
「ひでえ!ひいちゃんのアホ!勝てるかいっ!実戦相手が最強過ぎるわ!」
なんて言いながら、手加減してるとはいえ龍兄のパンチを避ける春風、強くなったんじゃね?