【完】会長様はご機嫌ナナメな皇帝閣下

次のリアクションを待って皆川会長を見つめていると、眉毛が片方だけキュピーンと持ち上がり、目が見開く。


「どや。庶民の味」


「な、なかなか、だ」


本当に生まれて初めての味らしく、皆川会長は小学生の男の子みたいに口の周りをベタベタにして食べている。


「ぷっ……くはは！会長、かーわいいの。いつもそうなら良いのに」


「テメェ……絞めるぞゴラ」


目は本気だが、口元がベッタベタな皆川会長。薄い上品な黒子の付いた色っぽいはずの唇が、なんだか子供みたいで萌えてしまう。


なんだか口が悪くても、可愛く見えてしまうのはザッツ浴衣マジック？それともサマバケマジック？


ちょっと、皇帝閣下にキュンキュン来てる私、尋常じゃないよ。夏の力スゲェ。