【完】会長様はご機嫌ナナメな皇帝閣下
「あれれー?ひよこと壮ちゃんがでーとしてるぅ!」


屋台を楽しんでいた私達に、突然聞き覚えのある間抜けな声が降りかかる。


「いつからだ!お前達、いつからそんな関係に……!」


「ひーちゃん念願の初彼が皆川先輩だなんて!きゃあー!」


糞が。勘違い脳みそ沸騰生徒会メンバーが。浴衣じゃなかったら全員揃って金的の刑だぞ。


「テメェら、いい度胸じゃねえかゴラ。っていうか、男三人でこの場にいるたあ、寂しい連中だな」


皆川会長はイライラ絶頂といった顔で三人に言い放つ。


しかし、イライラな皆川会長に対しても臆することなくあおちゃんがにまぁっと笑った。


「結局ぅ、壮ちゃんもひよこも、俺らと同じなんでしょ」


ひ……否定出来ません。そりゃ、デートで来る相手もいませんよ私は。


「じゃあ皆で祭、回ろうぜっ!」


アッキー先輩がそう言うと、皆川会長がふん、と鼻を鳴らした。


「仕方ねえな。全く、これじゃあいつもと変わんねーよ」


でも、そう言ってる割に楽しそうなんだよね、皆川会長。そんな皆川会長を見てると、何だか私も笑えて来て、自然と顔が笑ってしまった。


糞。何気に夏休み、満喫してんじゃんよ私。
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