【完】会長様はご機嫌ナナメな皇帝閣下
「ひよこ、めんどくさいってのが顔に出てんだよ。声に出さなくてもな」


「いや、隠してないから。隠すつもり毛頭ねーし」


会長からのウザーい一言に私はべーっと舌を出して答える。


すると、皆川会長の長い指がすーっと額に伸びてきて、ピン、というか、ガスっという鈍い音と共に痛みが走る。


私にデコピンしやがった皆川会長の今日の笑顔は、なんだかエセではなくホントに爽やかだ。いつもそうやって可愛く笑ってりゃちょっとはマシなのに。


「覚えてろ、アシメエセ爽やかイケメンが」


中指を突き立てて言ったものの、あれ、これ、悪口じゃねえ。言ったことある悪口な気もするし。


皆川会長は私に美しく不敵に笑うと、アッキー先輩とあおちゃんを引き連れてさっさと去って行ってしまった。
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