【完】会長様はご機嫌ナナメな皇帝閣下

秋が感じられません。

「あー、紅葉狩りとか行けたら楽しいだろうね、秋になったら。あはは」


二学期、ちっとも涼しくならない９月の登校する道。あんなことがあったにも関わらず、春風は呑気に隣に歩いている。


すがすがしいほど爽やかに、濃いソース顔をだらりと引っさげた春風の襟足のピンクは、何だか終わった夏休みと共にすっかり色あせちまってる。


「ねー、ひーちゃん、うちの学校文化祭とか体育祭、絶対うまくいかないと思わない？」


「まあそうだろうな。どうせ滅茶苦茶になるに違いないわ」


春風があまりにも普通過ぎるから、私も普通の対応で返してしまう。


これでいいのか？こいつはあれだろ？私のこと、す、す、す……。