【完】会長様はご機嫌ナナメな皇帝閣下
「……ちゃん、ひーちゃん!おー!生き返った!良かった!死んだかと思ってヒヤヒヤしたよぉ」
「ってえ!……なんだ、どうなったんだ?」
皆川会長と勝負、どうなったんだ……いや、私が気絶してるってことは、私が負けたってことか?いやしかし、KOされた瞬間が思い出せない。
「不本意ながらドローだ」
答えは俺様本人とその手に持たれたミネラルウォーターのペットボトルと共に降り注ぐ。
振り返ると、皆川会長の首には大きな湿布。
「どっちも10秒で起き上がらなくて、暫く待ったけどダメっぽくてね。いわゆる相打ちってやつ」
詳しく説明してくれたのはどうやらギャラリーの中にいたらしい影兄だった。
「とりあえず、俺の隙を突いたのは褒めてやるよ」
偉そうだな。……ちょっと嬉しい自分がいるのはムカつくが。