【完】会長様はご機嫌ナナメな皇帝閣下
会長は相変わらず無表情で、でも何となくピリピリしている。


私じゃなくてもあんま関わりたくないわ、この皆川会長には。だから誰も事情を聞きたがらないのだろう。


とりあえず今日の公務を済ませて私が荷物を纏めていると、アッキー先輩がこちらに向かって来る。


「ひよこ、これから空いてる?」


「ん?空いてますが」


いつも生徒会室の掃除やら何やらで一番最後に部屋を出るアッキー先輩から声がかかるのは珍しい。


「ちょっとだけ、付き合って。たまには俺とデート的なことしようぜ?」


「……りょーかいっす。アッキー先輩とのデートなら、有り難いと思わなきゃだな」


アッキー先輩には一番世話になってるし、何ていうか、兄貴的な感じで頼れて落ち着くし、そういう誘いに乗るのも悪くない。


それに、細やかに気遣いが出来るアッキー先輩と二人きりで話す機会って一回作ってみたかったから、私にとってはホントに有り難い誘いだ。
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