【完】会長様はご機嫌ナナメな皇帝閣下
慌ててバタバタしている春風を見て、皆川壮平は豪快に笑う。


「ぶはは!んなことで首切りにはなんねぇから!まあいい。とりあえず座れ、そしてくつろげ」


何故いちいち上から目線なんだ。むかつくな。そして今更だけど現実世界に一人称俺様の人間がいたんだな。


すっかり手なずけられた春風は爽やかに返事するとソファーに座る。もちろん、背もたれには背中を付けないでピシッと。


私はドカッと座り、背もたれをフル活用し、脚まで組んで見せた。勿論皆川壮平に対抗して。


「わーおナイスな失礼具合」


「黙れ赤毛。蹴り倒すぞ。ボッコボコにすんぞ」


すかさず言い返すと赤毛はムッとする。赤毛、まともかと思いきや意外と短気か?


「壮平、お前の客だし女だけど、シメていい?そろそろシメていい?」


「止めとけ。返り討ちにされる。そいつ、見た目はそれだがゴリラ並に強いぞ」


おいコラ。ゴリラと比べるなよ。人間と比べろや。
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