【完】会長様はご機嫌ナナメな皇帝閣下



「ひよこ、壮平が何考えてんのか、ホントに分かんない?」


カルボナーラを平らげたアッキー先輩は、デレツンからやっと通常モードに戻ったみたいで、いつもの口調で私に話しかける。


「分かんねぇ。だって、私が春風にアタックされてようがどうだろうが関係ないのに、怒ったりファーストキス奪ったり、頭おかしいだろ」


「はは。ひよこからすりゃそうかもな。壮平だって多分、自分が何考えてんのか良く分かってなそうだしよ」


本人が分かってないなら私に分かるはずないじゃん。でも、この言い草だとアッキー先輩には分かってるって感じだ。


「アッキー先輩には分かるのか?」


「全部じゃねぇけど分かるよ。なめんな。あいつと俺と葵が何年連んでると思ってるんだよ」


ふっと涼しげな目を細めて笑ったアッキー先輩は、なんだか一つしか離れてないのに大人みたい。


お母さん的ポジションのアッキー先輩だからなのかな。どちらにしても、私には皆川会長の思想なんかちっとも分かりゃしないよ。
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