【完】会長様はご機嫌ナナメな皇帝閣下

変な光景だ。皆川会長は、お坊ちゃまのくせにフツーにバスの定期券を出して一番後ろを陣取る。


私は整理券を取って、その皆川会長の後ろを着いて行った。


「うわ、皆川壮平とバス似合わねえ。うわ。変なの」


「うざっ。ひよこのくせにうざ」


何て言う、いつも通りの会話をしているうちに、皆川会長の家の最寄のバス停へたどり着く。


こっちの方は、芸能人とか資産家が住んでることの多い、この辺では有名な高級住宅街だ。


流石ボンボン。さて、一体どんななんちゃら宮殿に住んでいるのやら。まさか、世界遺産並みの金ピカゴールドハウスだったりしてな。


なんて、バカみたいな妄想をして気を紛らわしているが、高級住宅街なんて初めてだから、結局気は紛れない。