【完】会長様はご機嫌ナナメな皇帝閣下
皆川会長は歩き慣れたであろう道を、ズンズンと、だけど、どことなく上品に歩く。


やはり金持ちだから、育ちの良さが背中から滲み出てるな。歩き方一つで育ちの良さが分かるとか、何かスゲェ。


春風のひょろっと伸びた体型とも、私の猫背とも全く違う、細いのに制服越しにも分かる、均衡の取れたその体型に、思わず見とれてしまう。


「おい、考え事してんな。ぶっさいくな顔になってるぞ」


「うざ。いつもそれなりに可愛いからいいんだよ、顔は。全世界の本物のぶっさいくに謝れコノヤロー」


なんてナルシストな返事をすると、皆川会長はフン、と鼻を鳴らして言い放つ。


「顔は……な」


ハン!ハンハンハン!うざっ!自分で言うのは良いが、テメェに言われたかねぇわ!
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