【完】会長様はご機嫌ナナメな皇帝閣下
まあ、ジム兼うちの三倍は軽く超えるであろう皆川家は、そりゃもう綺麗なもんだ。


奥の、リビングらしきところに繋がる扉が開くと、そこには穏やかな中年の女性がいた。


そして、その絵画みたいな光景に似合う、食欲をそそる素晴らしい香り。


「あら壮平さん、お帰りなさい」


「ただいま帰りました。お母さん」



この穏やかな笑顔の方は、このサタン皇帝閣下の母親らしい。何故この人からこれが生まれた。どこで間違ったんだ。


「あら、後ろの可愛らしい子は?」


「あ、生徒会の会計担当の石葉と申します。は、初めまして」


その穏やかスマイルが向けられると、私も穏やかな敬語になってしまうでないか。
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