【完】会長様はご機嫌ナナメな皇帝閣下



結局、春風は激辛カレーまんが口から消えずとっとと帰り、アッキー先輩は薙刀の稽古、あおちゃんは家族でディナーなので各々帰っていった。


アッキー先輩に頼まれた公務を済ませたい私はまだ電卓を叩き、皆川会長は珍しくソファーで寝ている。


「皆川会長、風邪引くからんなとこで寝てねぇで帰んなよ」


「おー……」


かろうじて返事をした皆川会長だったが、起きる気配はないなこりゃ。


皆川会長は気はこんなに強い割りに身体が強くない。この間の校内清掃イベントで両手草負けしてたし、季節の変わり目にはいっつも風邪を引く。


寝顔は案外あどけない。寝てるときは天使みたいな優しい顔をしてて、可愛いもんだ。


しょうがないから、足が冷えるからと経費で買ってもらったブランケットを皆川会長にかけてやった。
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