【完】会長様はご機嫌ナナメな皇帝閣下



この日はいつもと状況が違ったのだ。


受験シーズン真っ只中の1月、実は、私はまだ進路が決まらないでいた。


進路の選択肢として、近所には影兄が通う私立の制服の可愛い学園と、この辺で有名な不良校の二つがある。


遠くに通うのが面倒だからどちらかに行くしかないんだけど、どちらも嫌だ。


影兄がいる学園は、兄が人気者過ぎて私もすぐ有名になってしまう。顔が同じだし。


小中学生の間、年子の影兄と当たり前だけど同じ学校に通い、『影虎の妹』と指を差されるのが鬱で、影兄の友達の鳩尾に一発入れたことがある。


とにかく、また同じ学校なのは嫌だ。あんな面倒な思いは二度としたくない。物臭だし、流せる性格でもない。
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