【完】会長様はご機嫌ナナメな皇帝閣下
んで、冒頭に戻るわけだが……。


「何故、テメェラらがここにいやがる」


皆川会長は今にも雷を落としそうな鬼の形相。隣にいたら感電しそう。ひー、おっそろし。


しかし、諸悪の根源の目の前の男共のうち二人は、悪びれもなく満面の笑み。


「壮ちゃんママとメッセしてたら教えてくれたんだよ!もー、ひよこだけ連れてくなんて、壮ちゃんのいけずぅ!」


「ほんと、皆川先輩のいけず!ハワイなんて、誘ってくれたら着いて行ったのに!」


「……ごめん壮平。こいつらが行くなら、俺も行くしかなくなって」


所謂、『激おこぷんぷん丸』状態のあおちゃんと初海外だろうかウキウキの春風、唯一なんだか申し訳なさそうなアッキー先輩。


皆川会長は、はあ、と短く溜め息をつき言い放つ。


「来ちまったもんはしかたねぇ……バカンス、楽しみやがれ!」


会長は、やはりサドの癖に、結果的には心の広い男なのだ。
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