【完】会長様はご機嫌ナナメな皇帝閣下
「ひよこも2つ持ってて」


「オッケー。そういや、強引に誘っといてなんだけど、家のこととか大丈夫だったのあんたら」


「あー、壮平んとこは両親がアメリカの資産家にお呼ばれ、葵は新年パーティーボイコット、俺は俺以外皆海外旅行してるから、葵ん家で3人でビュッフェパーティーしてて。高校卒業した後のこととか3人で話したかったし」


そういや、先輩達は4月から3年生なんだよな。皆川会長も受験のために髪型変わったし、ちょっとずつ、状況が変わってるんだ。


あっという間に一年が終わろうとしてるけど、こんな風に楽しめる時間って永遠ではないんだな。


「ふっ!ひよこのくせに、ちょっと寂しくなった?」


「あん?んなわけ。平和な日々に戻るのが再来年かと思うと泣きたくなるだけだし」


珍しくアッキー先輩に心を読まれ苦し紛れに言い返すと、アッキー先輩は優しげに目を細めた。
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