【完】会長様はご機嫌ナナメな皇帝閣下
「おーい!秋仁、ひよこ!何やら神様にお願いするチッセェブースがあるらしい!行くぞ!」


遠くで皆川会長の呼ぶ声がする。あー、ボンボンズ楽しそうだな。


「はいはい、いくよー!」


それに対しても優しく答えるアッキー先輩。流石生徒会の母。なんか占い師みてぇだな。


最初は不良ばっかの学校で、絶望したりとかもしたけど、まぁ、慣れて楽しくなってきたんじゃねーの?


「ひよこ、その手に持ってるのはなんだ?」


「ん?甘酒だよ、ハイ」


3人に合流して、参拝の列に並び、私はまだホカホカした甘酒を渡す。


「ナニコレェ、甘苦っ!」


「ちょっとあおちゃん先輩汚い!口から甘酒垂らさないで下さいよ!」


その独特の味に顔をしかめるあおちゃんと、世話をする春風。皆川会長も甘酒を口に含め、眉を寄せる。


「なんだ?酒?未成年が飲んでもいいのかこれは?」


「正月のこれはいいの。まぁ美味くないけど、これが正月の味よ」


私が皆川会長の質問に返すと「日本庶民の文化は難しいな」と、会長は更に眉を吊り上げた。
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