【完】会長様はご機嫌ナナメな皇帝閣下
「そう言えばひーちゃん、おみくじどーだった?俺中吉ー。良いのか悪いのか分かんないや、あはは」


「私末吉。どっちがいいんだろうなー、中吉と末吉。私も分かんねー」


ぼんやりと見てると、皆川会長達も兄貴達も、なんか楽しそう。見てるだけで賑やか。


「じゃあ、御参りは何てお願いしたの?随分長くお願いしてたよね?」


「そりゃあれだよ。今の…………いや、秘密」


言いかけたお願いの内容を聞きたいとごねる春風に、チョップをお見舞いしてやる。


「言ったら願い事叶わないって言うから秘密だよ、バァカ!」


ホントは柄にもないことお願いしたから恥ずかしいし、秘密、なんだけどね。


『今の賑やかな日常が、少しでも長く続きますように』


……なんて、普通を願う私にとってはらしくない願い事、な。
< 343 / 398 >

この作品をシェア

pagetop