【完】会長様はご機嫌ナナメな皇帝閣下
協定を組んだ私とアッキー先輩は、皆川会長捜索へ。慣れない山道を、神経を研ぎ澄ましながら進んで行く。
「壮平は頭が切れる。自分の身長が不利になることも。じゃあ、何処にいると思う?」
「身を隠すのは不利なら…………」
アッキー先輩の言わんとしていることが読めて、私とアッキー先輩は左右へ横っ飛びした。
「チッ!厄介なのが組みやがって!」
木の上から音も立てずに飛び降りたのは、予想通り皆川会長本人だった。
そう、下では隠せないタッパのある体を隠せるのは、木の上ってことだ。
「まぁ、負ける気しないけどな。おら、どっちでもかかって来いや!」
皆川会長はビュン、と低めに飛ぶと、アッキー先輩の方へ一直線へ向かった。